NPO法人と一般社団法人

NPO法人

NPO法人は特定非営利活動法人といい、その活動は社会貢献活動であり、団体の構成員に対して収益を分配することを目的としない点に特徴があります。

NPO法が対象とするのは、非営利活動全てではなく、20分野の限定された非営利活動を行う団体に制限されており、「特定」の活動による非営利活動法人とされています。

NPO法人の収益

NPO法人は、収益事業を主な目的として活動することはできません。ただし、法律上定められている特定非営利事業を主な目的としたうえで、その他の事業として収益を上げることは可能です。

非営利法人ではありますが、あくまでも構成員への利益の分配を目的としないことが条件であり、もし利益が出た場合は、活動の資金として役立てることができるのです。

NPO法人の主な収入源としては、会員からの会費、寄付金、補助金、助成金、収益としてサービスの対価としてのものや物品を販売して販売収入を得ることも可能です。

NPO法人は非営利法人ですから、本来の目的のみ行うNPO法人は法人税がかからないのですが、収益事業もあわせて行うNPO法人であれば、利益が生じることで法人税が課税されることがあります。法人住民税の均等割については原則かかりますが、自治体によって免除申請により免除されることがあります。

NPO法人の活動分野

ところで、NPO法人の活動は20分野に限られていますが、20分野のうち一つしか活動できないわけではなく、複数の分野にまたがって活動することはできます。

特定非営利活動に係る事業に支障のない限り、特定非営利活動に係る事業以外の事業として利益を目的とした事業を行うこともできます。ですが、これによって利益が生じれば特定非営利活動に係る事業のために使用しなければなりません。

NPO法人の役員

株式会社との違いとしては、営利を目的とせずに公益のために活動する団体ということや10人以上の社員が必要ということで、この社員というのは従業員というわけではなく総会で議決権を持ち運営に関わる人のことをいいます。

役員についてはNPO法人では3人以上の理事に一人以上の監事の設置が必要で、株式会社の取締役1人でも設立できる場合とは違いがあります。

ここで注意事項としてNPO法第21条があります。これは自分の他に親族を役員にする場合の規定です。

1 配偶者や親族(三親等内)が一人を超えて含まれないこと (自分以外に一人までなら役員にできる)

2 役員と配偶者・親族(三親等内)を合計した人数は役員の3分の1を超えない。

(3分の1までは大丈夫)

例えば、4人の役員のうち2人を親族にしたいといった場合はどうでしょうか?この場合、2分の1の割合となり3分の1より割合が高いためNGとなります。

もし役員が6人いればその3分の1は2人ですので、この場合は2人を親族として役員とすることができます。また、夫婦それぞれが役員となれば2人の3組夫婦で6人の役員とするのも可能です。

NPO法人の役員報酬の注意点

NPO法人では役員報酬に注意が必要です。要件の一つに報酬を受ける役員数が、役員総数の3分の1以下であることというものがあります。ですから、理事3人で監事1人の場合は役員報酬を支払えるのは1人だけということになります。

ただし、理事であっても他の職員と同じ基準で支給される人件費や交通費相当額を支払う日当などは役員報酬でなく労務費になります。

理事と職員を兼任していれば例えば役員報酬0円、職員給料20万円といった感じです。

理事ではなく監事の場合は、NPO法人の職員を兼務できないため職員給料はもらえないため、監事に人件費を支払うとすれば役員報酬を設定し、毎月一定額を支給することになります。

 NPO法人の事業報告

NPO法人は、毎事業年度初めの3か月以内に、前事業年度の事業の実績に関係なく所轄庁に事業報告書などを提出しなければなりません。

一般社団法人

NPOに対して一般社団法人は、2人以上の社員によって設立されます。一般社団法人は営利の追求を目的としない法人ですが、公益法人には分類されません。公益法人として活動したい場合には、公益社団法人や公益財団法人として行政庁の認定を受ける必要があります。

詳細は省きますが、一般社団法人のうち、一定の要件に当てはまる場合、非営利型法人として税法上「交易法人等」の範囲にはいり、収益事業のみ課税となっています。

この非営利型法人には、非営利性が徹底された法人(法人税法第2条9号の2イ、同法施行令3条1項)と共益的活動を目的とする法人(法人税法第2条9号の2ロ、同法施行令3条2項)があります。

設立時の違い

一般社団法人は、株式会社と同じく定款認証の手続きが必要となってきますがNPO法人はというと定款認証は不要です。ただし、NPO法人は設立に際して、所轄庁の審査を受け、設立後も所轄庁の監督を受けることから公益社団法人や公益財団法人と似ており、手続きは大変ですが社会的信用があります。一般社団法人はというと設立時に所轄庁の認証は不要ですので手続き面では負担は軽いといえます。

設立時の人数についても一般社団法人は社員2人以上必要なのに対し、NPO法人は社員が10人以上必要と大きな違いがあります。

理事については、一般社団法人は1人以上(理事会を設置しない場合)でNPO法人は理事が3人以上、監事が1人以上は最低限必要とされます。

一般社団法人は社員の活動に重点をおく場合に選択し、財産を一定の目的のために利用することに重点をおくのであれば一般財団法人を選択するようになります。

一般財団法人については、設立時に最低でも理事が3人以上、監事が1人以上、評議員が3人以上の合計7人以上が必要となります。

また、一般社団法人は株式会社と異なり、剰余金が生じた場合に社員に配当することができません。

NPO法人は、設立時に所轄庁の審査を受け、設立後も所轄庁への報告義務や監督を受けますが、社会的信用も得やすいです。もし、比較的小規模で迅速に設立して、活動もある程度自由に行いたいと思われるのであれば一般社団法人を選択してもいいかと思います。