消費者トラブル

消費者被害は、事業者と消費者との間の格差によって起こるというのが特徴として挙げられます。格差というのは情報や交渉力、経験、資金力などです。

これらの格差によって消費者が誤認し、不本意な契約を締結されられたりするという被害が発生します。例えば、訪問販売で契約したが思っていた内容と異なっていたり、必ず儲かると勧誘を受けて証券を購入したが、大損をしてしまったなどが例としてあります。

消費者被害を解決するには、民法だけでなく、消費者契約法や特定商取引法、割賦販売法など消費者保護のための特別法も検討していかなければなりません。

これらの消費者契約法や特定商取引法、割賦販売法は消費者が不利な契約を結ばないよう規定し、不当な行為を行った事業者に対して行政処分や罰則を課すことで消費者を保護しています。

消費者契約法

まず、消費者契約法は、民法の特別法で、消費者と事業者との契約の際に、消費者に不当に不利な契約が締結されないよう定められた規定とされています。消費者を保護するために契約の効力を否定したり、取消したりできる場合もあります。

■ 消費者契約法の取消しの3類型

消費者が誤認した場合における取消、消費者が困惑した場合における取消、契約の目的となる分量等が過量である場合における取消しの3類型があります。平成30年改正では、困惑類型に不安をあおる告知や判断能力が著しく低下していることを利用した場合など追加がなされています。

■ 消費者契約法における不当条項の規制

事業者の損害賠償の責任を免除する条項の無効、消費者の解除権放棄条項の無効、消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項等の無効、消費者の利益を一方的に害する条項の無効というものがあります。平成30年改正により、無効となる不当な契約条項が追加され、消費者の後見等を理由とする契約解除条項の無効等があります。

特定商取引法

特定商取引法は、消費者と事業者との契約の中で、特にトラブルになりやすい訪問販売など7つの契約について規制がされています。一定の期間内であれば、無条件で契約を解除できるクーリングオフという制度があります。消費者にとって不意打ちになりそうな取引類型を特定商取引として、事業者に対して規制をしています。

これには訪問販売、通信販売、電話勧誘販売、連鎖販売取引(マルチ商法)、エステなどの特定継続的役務提供、モニター商法等といった業務提供誘引販売取引、訪問購入の7類型、そしてネガティブオプション(送り付け商法)について規制されています。

通信販売にはクーリングオフがありません。商品引渡し又は特定権利の移転を受けた日から8日間は申込みの撤回や売買契約の解除ができるとされていますが、事業者が返品に関する特約などしていると、その特約に従うこととなりますので注意が必要です。

特定商取引法には、消費者契約法と違ってクーリングオフや過量販売解除権、不実告知等の取消権、中途解約権、引渡拒絶権、損害賠償義務の制限、適格消費者団体による差止請求があります。

特定商取引法でまずは解決を試みて、次に消費者契約法によって被害回復を検討します。特定商取引法の訪問販売に該当するから電話勧誘販売は適用できないというわけではないため、事案に応じて検討が必要です。

割賦販売法

割賦販売法は民法の特別法で、商品等の売買代金等の分割払いに関するルールとされています。

例えば、クレジットカードを利用したショッピングなどがあり、カード会社が当事者に加わってきます。そのため、取引が複雑になることからルールを明確化し、消費者が不利益を受けることを防ぐため、割賦販売法により規制がなされています。

これには、割賦販売、ローン提携販売、包括信用購入あっせん、個別信用購入あっせん、前払式特定取引、前払式割賦販売があります。このうち、包括信用購入あっせん、個別信用購入あっせんは、特に消費者被害が多いといわれています。