強制執行手続きは、債権者の申立てによって、裁判所が債務者の財産を差し押さえて換価し、債権を回収させる手続きです。

 財産にも不動産や動産、銀行預金などがあり、それぞれ強制執行の手続きも異なってきますし、執行機関も異なってきます。差押の対象が不動産であれば強制競売、銀行預金や給料などの債権であれば債権差押えと呼ばれています。

 民事執行手続きとしては、強制執行手続きや担保権の実行手続き、形式的競売、財産開示手続があります。

 そして、強制執行を行う機関は、執行裁判所と執行官です。

 

 強制執行手続きで債権に対するものが債権差押えですが、勝訴判決や和解調書、調停調書など債務名義として裁判所に申し立てをして、債務者が第三債務者(銀行など)に対して有する債権を差し押さえます。その差し押さえた債権を取り立てて債権の回収を行う手続きが債権執行です。

 債権に対する強制執行に対して、債権を目的とする担保権の実行は件数がそれほどないと聞きます。

以下は債権執行手続きに関するものです。

 

債権執行手続き

 当事者としては、債権者と債務者及び第三債務者が挙げられます。債権者と債務者との間での債権は請求債権で、債務者と第三債務者との間の債権は差押債権といいます。

 債権執行では、債権者が、債務者の預金がある銀行を第三債務者として差し押さえ、または債務者の勤務する会社を第三者として給料を差し押さえて、直接取り立てること等により債権の回収を行います。

 手続きは裁判所で行うため、債務者の住所地を管轄する地方裁判所に差押命令の申立てをします。もし、債務者が会社などの法人であれば、主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所となります。

 債権差押命令は第三債務者に対しては債務者への支払いを禁じ、債務者には弁済を受けることや債権の譲渡などを禁じています。

 申立の後は、差押命令が第三債務者に送達され、そして債権差押命令の効力が発生します。

 預貯金債権を差し押さえる場合、第三債務者は銀行となりますが、複数の金融機関を差し押さえるとなると、各金融機関の差押額をいくらにするかを決めて、合計額が請求債権額を超えないようにします。

 第三債務者は、差押えに係る金銭債権の全額に相当する金銭を供託することができます(権利供託)。

 弁済期が到来し、第三債務者が供託しないまま差押命令が送達された日から1週間経過しますと、債権者は差し押さえた債権を第三債務者から取立てができるようになります。

 もし、差押えが競合しますと第三債務者は必ず金銭債権の全額に相当する金銭を供託しなければなりません(義務供託)。

 権利供託、義務供託のどちらも第三債務者が供託した場合は、執行裁判所によって配当等が実施されます。