供託の払渡請求をするには供託物払渡請求書に必要事項を記載して、管轄の法務局に添付書類とともに提出して行う必要があります。

供託の当事者となるのは、供託者と被供託者です。供託者はその名のとおり、供託をする者で、被供託者というのは供託所から供託物を受け取る者です。

供託物の払渡請求には、被供託者の側から行われる還付請求と、供託者の側から行う取戻請求とがあります。これらは、権利の目的は同じ供託物ですが、権利を行使する者及び権利内容はそれぞれ異なり、別の権利関係となります。

還付請求とは、供託関係にある権利者たる被供託者に対して供託物を払い渡すことをいいます。
これに対して、取戻請求は、供託原因の消滅などによって供託者に対して供託物を払い渡すことをいいます。取戻請求をするには、供託が錯誤により無効であること、供託後に供託原因が消滅したことのいずれかに該当し、供託を有効とした判決が確定していないこと、弁済供託において被供託者が供託を受諾していないことの要件を満たさなければなりません。

供託物の払渡しをする場合、還付請求をするのか取戻請求をするのかによって要件や添付書類が異なってきますが、供託物払渡請求書と取戻請求権又は還付請求権を証明する書類を添付する必要があります。

代理人によって供託の払渡しを請求する場合、代理人の権限を証する書面として委任状等を添付します。この委任状には、作成後3カ月以内の印鑑証明書を添付する必要があります。

他には、払渡請求をする場合において、利害関係を有する者がいるときには、当該利害関係人の承諾書を添付する場合があります。
また、請求者が相続人等の権利を承継するものであるときは、戸籍謄本等の書類を添付します。