仮登記の本登記

仮登記に基づく本登記を申請する場合、仮登記を特定して、この仮登記に基づく本登記である旨を記載する必要があります。登記の目的としては「何番仮登記の所有権移転本登記」と記載しなければ、新たな順位番号をもって別個の所有権移転登記として扱われますし、これは後から更正登記をすることができません。
登記原因及びその日付は、1号仮登記の場合、物権変動が生じた日で、仮登記原因と本登記原因は同一になります。
2号仮登記では、予約完結権を行使した日、又は条件付仮登記では条件が成就した日に物件変動が生じますので、その日付と登記原因を記載します。
「所有権」に関する仮登記に基づく本登記を申請する場合、登記上の利害関係を有する第三者がある場合には、当該第三者の承諾がある場合に限り、申請することができます。
これは「所有権」に関する仮登記に求められており、抵当権等の仮登記に基づく本登記の際には求められていません。

登記義務者(所有権に関する仮登記に基づく本登記)

 通常の登記申請と同じく登記権利者と登記義務者との共同申請となります。

(1)1号仮登記のされている不動産がさらに移転した場合

所有権登記名義人AからBへと1号仮登記がされているとします。
次にこの1号仮登記がされている不動産がさらにCに移転されている場合
1号仮登記がさらに移転しますと仮登記した所有権の移転の仮登記として申請されます。
この場合は例えば「〇番仮登記所有権移転の仮登記」と登記事項にあり、本登記にあたっては登記権利者をB,登記義務者をAとして仮登記の所有権移転の本登記を行います。なお、Bの仮登記を本登記にする際は、Cは登記上利害関係を有する第三者に該当しません。
次に、登記権利者をC,登記義務者をBとして4番仮登記の所有権移転の本登記と順に申請をします。

(2)2号仮登記で保全されている所有権移転請求権がさらに移転した場合

この場合、仮登記した所有権の移転請求権の移転の登記を申請します。
所有権登記名義人のAからBが2号仮登記によって所有権移転仮登記(登記原因 年月日売買予約)をしているとします。
このBの2号仮登記がさらにCに移転した場合は「●番所有権移転請求権の移転」と登記されます。
Cが本登記をする場合は登記義務者をAとして仮登記の所有権の移転の本登記を申請します。