遺産分割について相続人間で話し合いがまとまらない場合、家庭裁判所にて遺産分割調停を申し立てるという方法があります。

遺産分割調停

遺産分割調停の流れとしましては、まず申立てを行い、書類の審査が行われます。
一部の相続人のみが遺産分割に応じず協議が調わない場合にも、全ての相続人が当事者となり関与することが必要です。管轄が、他の相手方の住所地となるため、相手方である相続人が数人いればその1人の住所地を管轄とすることもできます。相続人全員で管轄の合意ができれば、別の家庭裁判所でも管轄とすることができます。

そして、不足書類等があれば、その提出や補正があり、第1回調停期日の日時が決められます。調停期日では、対立する当事者同士では、入室に時間差を設けて順に話しをされるということもあります。
遺産分割調停の際、裁判官と調停委員2名によって当事者の言い分を聞き、解決策を出したり、調整を行って合意を図ります。
第2回目期日以降は、当事者と裁判所や調停委員によって調整されます。
もし、一部の相続人が出席せずに他の相続人の間で合意ができていれば、裁判所が、調停の中で事情を考慮して必要な審判を下すことがあり、これを調停に代わる審判といいます。
調停が開かれるのは平日のみで、第1回目は申立人の都合に合わせて決められることが多いため、相手方としては出席するのも難しく、1回目の調停期日については欠席してもやむを得ないとされています。
申立人や相手方がそれぞれ数人いるような場合、必ずしも毎回全員が出席する必要はないとされています。

調停では、大まかに①相続人の範囲の確認、②遺言の有無の確認、③遺産の範囲の確定、④遺産の評価の確定、⑤各相続人の取得額の確定、⑥分割方法についての確認という流れで進行します。
遺産分割調停の申立後に、相続分の譲渡をした場合、家庭裁判所から排除決定を受けることで当事者ではなくなります。ただし、特に必要がある場合、排除決定されず、引き続き手続きに関与することもあります。

遺産分割調停にて、調停委員が公正な提案を出して、それに賛成して相続人全員が合意されるかどうかで、もし、調停で合意ができた場合は調停成立となり、裁判所は調停調書という書類を作成します。この調停調書を用いて不動産の名義変更など相続手続きを行っていきます。
うまく合意できない場合は調停不成立となり、審判手続きに移行します。

遺産分割調停申立書作成

なお、司法書士は遺産分割調停の代理人となることはできませんが、申立書の作成を業務としています。
申立書には、当事者目録、遺産目録や相続関係説明図、申立書の写しを相手方の人数分と申立人控え分、事情説明書、連絡先等の届出書、進行に関する照会回答書や不動産登記事項証明書、固定資産評価証明書、預貯金通帳のコピーなど添付します。また、収入印紙と郵便切手を所定の分だけ提出します。